睡眠導入剤として最も頻繁に用いられてきたのは古くはバルビツール系でしたが、呼吸抑制等の副作用が強いことから研究が進められ、ベンゾジアゼピン系が主流となりました。ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤は中枢神経系においてGABA受容体に作用することで神経活動を抑制させる方向に働くことによって、中枢神経系の活動レベルを低下させることにより睡眠への導入することができるものです。そのメカニズムは睡眠を誘発することができるものの、自然に眠くなるのとはことなる作用であることから眠りが浅かったり、寝起きが悪かったりといった症状が表れることが問題となっていましたが、比較的安全に使用できるという点から汎用されてきました。
自然の眠りを生み出す睡眠導入剤の開発も進められてきましたが、その際に注目されたのがトリプトファンからセロトニンを経て合成されるメラトニンでした。メラトニンがサーカディアンリズムを司っているということが発見されてからというものの、欧米を中心としてメラトニンやその前駆体となるセロトニン、トリプトファンを睡眠導入のためのサプリメントとして利用されることが増えてきました。しかし、日本では当時は薬事法によってメラトニンを製造したり輸入や販売をしたりすることが禁じられており、薬事法のもとでは手に入れることができませんでした。しかし、睡眠導入剤としての魅力からメラトニンやセロトニンのサプリメントを薬事法に抵触しないように個人輸入するという方法がとられてきました。一方、現在では研究開発が進展したことによってメラトニン様の作用を有する睡眠導入剤が医薬品として承認されており、薬事法も改正されたため入手が容易になっています。